アトピーの話

  「アトピー」と言えば現在ではすぐに皮膚炎のことを連想しますが、それくらい難病でありながら一般に広まっている現象のことですね。

  しかし、この「アトピー」というものは語源を含めて誤解を随分と受けていることが多く、それだけに正確な知識と理解は適切な治療への近道であるのですから、悩んでいる人が近くにいる場合は良く読んでください。

 

「アトピー」という意味

  まず「アトピー」という言葉の意味をご存じの方がおられるでしょうか?これは当院の他のパンフレットでも何度も触れていることなのですが病名だけが一人歩きをして実態を知らないということは非常に危険なことなのです。

  日本人には面白い癖があって「職業病だから」「特殊体質だから」「アレルギーだから」と言われてしまうと変に納得してしまって「これは仕方がないことだ!」と簡単に諦めてしまうんですね。同じように「アトピーだから」と言われると何故か医者任せ薬任せになって病気に立ち向かおうとしないんです。

  アトピーとは、奇妙な・原因不明なという意味が語源で先天的という意味も含めてもいいかと思います。従って一般的には皮膚炎ばかりがクローズアップされていますが、アトピー性喘息やアトピー性腎炎なども存在するのです。

  それで、初老を迎えようかという人にも「これはアトピーですね」と説明する医療者がいたら正確な医学知識を持っていないということですね。非常に迷惑しています(少なくとも20才までに発病しないとアトピーではない)。

 

「アトピー」の発生原因

  先ほども説明したように「アトピー」とは原因不明ということですから、正確な発生原因も特定されていません。

  遺伝病だとも言われますが、『遺伝』という言葉自体が実は信頼できないものだと判明しつつあります。白と赤の花の種を交配すると次の世代の花の色が予言できる「メンデルの遺伝法則」は有名ですが、その後の研究で単純な表現形式は適応されるものの個体に対しては必ずしも正しくないとされました。よく「親が・・・だから子供も」と言う人がいますが、確かに親は悪い素質も与えてしまったかもしれませんが産まれたときから親と全く同じ体質ではないのです。受け継いだ素質を解放してしまった子供にも責任があると思います(こんな書き方をすると筆者には愛情がないかのように思われてしまいますが、これくらい厳しく考えないと治らない病気も多いのです、もちろんアトピーも)。

  しかし、個人によっては卵・肉・小麦・牛乳や花粉・ハウスダストなど症状を増悪させる物質(アレルギー源)がハッキリしている場合はあります。

  東洋医学的に観察した場合には筆者は『氣』の濁りだと思うのです。『氣』という言葉は最近良く耳にされていると思いますが、簡単に言えば生体エネルギーだと理解して戴ければ間違いないでしょう。これが濁っているために自然治癒力が十分に機能せずに余計な反応が現れると考えています。

 

「アトピー」の治療

  さぁ最も関心の集まる治療についてです。まず治療とは言えませんが、とりあえずは症状を発生・増悪させないためにアレルギー源から避難させることです。食事の材料に気を付けたりマスクをするなどですね。

  小さな子供で生命に危険が及ぶような場合には迷わずに薬物療法も併用します。しかし、薬はあくまでも反応を押さえるためのものでありますから根本からの解決策ではなく特にステロイド剤は避け将来的には薬に頼らないことを頭においておくことです。

  化学療法による治療はないと言っても過言ではありません。無農薬の有機栽培野菜による自然療法や断食療法なども先進的な医療者によって試みられてはいますが、在宅で行うにはかなりの負担を覚悟しなければなりません。

  先ほども説明したようにアトピーとは『氣』の濁りですから、体質そのものを変化させて濁りを取らない限り、「のように湧いてくる症状を根治することは不可能です。これには『氣』の調整を行う脉診流経絡治療以外にはないと思います。鍼灸治療においても患者自身の努力が第一で長期の治療になるでしょうが、負担はずっと軽く済むはずです。何せ奇妙な病気ですから。

       TRADITIONAL JAPANESE MEDICAL

        脉診流 にき鍼灸院

522−0201  滋賀県彦根市高宮町日の出1406

0749−26−4500



パンフレットの閲覧ページへ戻る   資料の閲覧とダウンロードの説明ページへ   『にき鍼灸院』のトップページへ