耳鳴り頭鳴り

 この頃は耳鳴りがしてかないませんわぁ」と日常生活の中でよく聞きますけど、この手の症状は放置しておいても自然回復することがめったにありません。特に初期での治療が後遺症の有無を左右するので、出来る限り早い受診をお奨めします。

 ところで、一般に『耳鳴り』と表現されているものには種類があり、そのほとんどが実は耳管炎、つまり頭鳴りであることをご存じですか?

 

その前に、耳鳴りの話

 耳鳴りの原因は西洋医学的には不明です。原因不明ということは薬などが処方されるものの、対処療法であって根本的な治療はされていないということです。東洋医学的には耳を司る腎経という経絡の不調和になります。様々な要因が絡んで発生してくる不調和ですから単純に腎経を治療すればいいというものでもありませんが、その時の身体状況に応じて腎経が動きやすいような治療法を決定していきます。

 耳鳴りとは、耳の中で蝉の鳴くような声や金属を叩いたような音などが持続することをいいます。肩こりによって音が大きくなることはありますが、目眩を伴う場合は別々に発生してきたもので実は関連性がありません。特に金属音がする場合には、早期に治療しないと回復が困難です。また昼間の電話をしていたりテレビやラジオの音がしている時には聞こえない程度までの回復が見込めるものの、就寝前の静寂な時まで音を消すことはほとんどの場合が不可能です。

 最も大切なことは、「耳の内側で音が鳴っていること」です。

 

では、頭鳴りの話

 頭鳴りとは、西洋医学的には耳管炎(じかんえん)、つまり喉の奥と中耳の間をつないでいる管が炎症を起こしているものです。例えばトンネルに入ると耳がおかしくなるのでつばを飲んで治していますけど、これは普段は閉じている耳管がつばを飲むことによって開いて中耳へ空気を送り気圧調整をしているもので、耳管炎とは気圧調整がおかしくなって発生している症状とも言えます。細菌感染の場合には抗生物質が効きますが、それ以外では特に効果的な投薬がないのが現状です。東洋医学的にはやはり腎経を中心とした変動として捉えるのですが、肝経や心経だけでなく三焦経と多くの経絡が絡んでいるので体調に合わせて処置を決定していきます。耳鳴りにも頭鳴りにも腎経はまたがっているので、東洋医学では一度に治療が出来ます。

 

頭鳴りの特徴は?

 いわゆる耳鳴りには種類があることが分かりましたけど、肝心の頭鳴りの特徴とは何でしょう。一番の特徴は「お釜をかぶったような感じ」があることで、ヘルメットのように頭全部に重いものがかぶることもありますが片方だけや耳の周囲など一部だけのことも多く、また布が掛けられている程度のものもあり、自分の喋った声が響くので「お釜をかぶったような感じ」と表現しています。

 またこれは本人へそのように質問しなければ気付いていないことの方が多いのですけど、音が聞こえるのは耳の中ではなく外側から聞こえています。耳鳴りは耳の内側で聞こえなければならないのですが、頭鳴りは耳の外側で汽笛や風のような音がするだけでなく、後頭部、や時には頭よりかなり上の方で音が聞こえることもあります。頭を叩いてみて響きがあったり、水が耳の中に入っているような感じがすることもよくあります。頭がふらふらすることはありますが、回転性の目眩ではないことを確認することが大切です。

 原因部位からしても症状が出てくる前に中耳炎をしていないか、耳が痛くなかったかを確認することも大切です。

 

回復しますか?

 まず「耳鳴り」と「頭鳴り」を区別する必要があります。耳鳴りについては前述しましたが、初期から治療を開始しないと完治は困難です。頭鳴りについてはほぼ完治が望めます。

 西洋医学では細菌感染があると抗生物質の投与が効果的ですが、よほどリンパ節が腫れていなければ通常の診察では気が付きません。鍼灸治療では前述のように腎経を中心とした治療パターンを組むことになるのですが、治療経過は肩こりの解消に比例しますので判定が容易です。ただし、初期ではあまり効果が現れず三回目あたりから急転直下で回復をするケースもよくありますので、行動を焦らないことです。

 耳鳴りにしても頭鳴りにしても、長期に症状を持っているだけでなく相当に悪化した状態で来院されるケースがほとんどなので、ある程度の回復で勝手に治療を打ち切られてしまうことがあります。しかし、再発防止を考えれば治療に対する指示は必ずお守りください。

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