すぐ症状の回復が期待できます

花粉症の治療

 

 春はやっと暖かくなり気分も晴れやか体調も良好というイメージですけど、花粉症をお持ちの方には憂鬱な季節の到来かも知れません。スギに代表される花粉症は今や年中行事であり、新型インフルエンザ騒ぎ以降はマスクを常用する人が多くなったので多少目立たなくはなりましたけど、完全武装での外出は気の毒ですね。

 花粉症はアレルギーの一種ですから、原因となる花粉が飛んできたならどうにもならないものと諦めがちですけど、治癒するまでには数年間が必要なものの症状がでている時の治療のみで鍼灸なら対処ができます。

 

花粉症の原因は?

 スギだけでなく各種の花粉で症状が発生することが確認されているように、花粉が目や鼻の粘膜に付着することによって反応が発生するアレルギーが花粉症です。別パンフレットで紹介している「後鼻漏」は鼻汁が直接に喉へ落ちてしまうことをいいますが、花粉症でも量が多いと直接に喉へも落ちます。ただし、後鼻漏の場合には粘りが強く花粉症は粘りの弱い鼻汁が特徴で、花粉症の鼻汁による体調悪化はあまりありません。

 涙が出る・鼻水がでる・かゆみ・くしゃみが主な症状ですけど、外出を終えて帰宅しても症状が続くということは、花粉に触れている時だけ発生するアレルギーではないということに注目してください。花粉症が大きな社会問題に取り上げられ始めた頃には、花粉が飛んでくるから悪い・花粉を多く飛ばすスギを植えた農林水産省が悪いという図式で批判されたこともあったのですけど、その昔は山で遊んでいて花粉症とは無関係だった大人が都会のビルで働いているのに涙やくしゃみで苦しんでいる矛盾に、次第にこれはいわれなくなりました。

 ハッキリした原因は不明なのですが、都会に住む人たちにも症状があるということから分かってきたことは、アレルギー反応が何年にも渡って蓄積された結果で発症してくるということです。ということで、花粉の量が多ければアレルギー反応も強くはなりますけど、実は少量でもほとんど同じくらいのアレルギー反応は発生しオフシーズンになるまで続きます。

 西洋医学的にはアレルギー反応を抑制する薬が用いられていますが、対処療法であり根本的な治療は今のところありません。また強い眠気や倦怠感を伴う副作用は、大きな問題です。

 

東洋医学のアプローチ

 では、どうして涙や鼻水やくしゃみという症状が出てくるのでしょう?「花粉が飛んでくるから悪い」という図式が的を射ていないなら、東洋医学の「必要があるから出てくる」という発想に着目したなら、治療法が思いつきました。

 涙や鼻水というものは表面を潤している液体であり、涙は眼球に付着したほこりをすぐ洗い流す役目をしていることを誰でも知っています。耳の穴にも常に液体がしみ出していてほこりを落としているのですが、この液体が最後には乾燥してしまったものがいわゆる「耳くそ」であり、鼻の穴も鼻汁でほこりをたたき落としていて「鼻くそ」が作られてしまいます。ところが通常の量では対処ができなくなると大量に放出されてくる、これが鼻水という症状です。

 鼻水が出てくる代表例は風邪で、これは呼吸器が弱っているために少しの異物なら浄化できるものも受け入れられないので咳という形で外へ投げ返しているのであり、少しでも余分な異物を吸い込まないために鼻水という形で気道をわざと塞いでいるのです。つまり、呼吸器がそれ以上弱らないための防衛手段な訳です。また強風でほこりっぽい時には涙が大量に出てくる、これは自己防衛をしている当たり前の話ですね。花粉症とは、花粉から身体全体を守る防衛反応だと解釈ができます。涙も鼻水もくしゃみも、それで身体全体を守ってくれているのです。

 とはいっても、感謝の気持ちになれたとしてもうっとうしいのには変わりがありませんし、日常生活に差し支えがあるのは困りものです。ならば「弱っている呼吸器を回復させてやろう」というのが治療なのですけど、西洋医学はいきなり呼吸器の調節をやろうとしてうまくいっていません。筆者も開業当初は体調管理や様々なアプローチで一定の成果はあっても、治癒へは導けていませんでした。そこで、もう一段階考えてみました。

 『オフシーズンには何も症状がないのですから呼吸器そのものが弱っているのではなく、呼吸器を働かせるためのエネルギーがうまく伝達されていないのでパワー不足になっているのではないか?』。つまり、食べ物から栄養を分離して吸収しているのは横隔膜から下の内臓であり、ここから横隔膜の上にある呼吸器へのエネルギー伝達を修復してみればと実は研修会の公開実技の中で初めて実践をしました。横隔膜のちょうど裏側辺りにある「膈兪(かくゆ)」というツボを用いるのがポイントですが、ここから先は専門的なので割愛します。

 その即効性には会場の先生方も驚かれました。病理考察といいますが、病気の原因や変化がどのようになっているのかを考えて治療を組み立てること、忘れられない体験となり、治療室でも用いることになりました。全身治療があって初めてポイントが生きてくるのであり、単純にツボを刺激するだけではこの方法は成立しませんので、あしからず。

 

治療の流れは?

 即効性がある治療ですから、花粉症が始まってからの来院で結構です。一度目の治療からハッキリした効果の現れるケースは半分程度ですが、ほとんどは三回程度でそのシーズンの治療を終えられています。次の年にはまた治療が必要ですけど、数年間繰り返していると花粉症そのものがなくなっています。

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