オリジナルていしんの解説と、その化膿性
三本のていしん写真

敢えて「ていしん治療」ではなく、「ていしん」での治療で、

 「にき鍼灸院」のドメインは"myakushin.info"とあるように、脉診(みゃくしん=脈診と同義)を中核とした経絡を積極的に運用する治療を一貫して行ってきました。そして、もう一つの特徴は“ていしん”のみによる刺さない治療です。
 しかし、「ていしん治療」をしているという意識は全くありませんし、毫鍼を否定する考えもありません。臨床での不都合がないので「ていしん」での治療へと自然に切り替わってきただけなのです。
 それでも、オリジナルデザインの「二木式ていしん」を数種類作成して使い分けていますから、こだわりは十分にあります。このコーナーでは、どうして「ていしんで治療効果が出るのか?」や、そもそもの経絡と鍼灸の関連について、そしてオリジナルデザインができあがるまでのレポートを掲載しています。

経絡現象は、可視化もできる

施術前の胸郭状態   施術後の胸郭状態   後日の状態


 心臓カテーテルを行った後に体調不良が回復しないという患者さんだったのですけど、左の写真のように肋骨が盛り上がってしまい胸郭を圧迫していることがわかります。これには驚いたと同時に「経絡現象の可視化ができるのではないか」ということで、一度目の治療はかなり苦しんでおられましたので二度目の治療時に許可をもらって撮影をさせてもらいました。 治療中のビデオ   youtubeで再生
 ビデオでリアルタイムに骨の変形が回復しているのを確認していただけたと思いますが、治療後が中央の写真であり、右の写真は三日後に来院されたときのものです。右の肋骨は回復しているので改めて尋ねたところ、左の肋骨は若い頃から変形をしていたということでした。

 その他にもビデオ撮影と掲載許可に協力していただけたものを閲覧していただけます。
    1.足の長さが整うビデオ   youtubeで再生   骨盤がずれていると左右の足の長さが異なってしまいます。単純な発想では骨盤矯正が必要だということになるのですけど、経絡の力は医大です。
     2.女児の足の長さが整うビデオ   youtubeで再生  下肢全体が痛くて歩けないという訴えで来院されたのですけど、小学生でこれほど足の長さが違っていたのではさぞや痛かったことでしょう。
    3.同じ女児の別日のビデオ   youtubeで再生  治療後に下肢痛はかなりいい状態となったので、次の週にも来院してもらってまだビデオ撮影をさせてもらいました。支正は関係なく腹臥位でも、回復していくのが分かります。
    4.妊娠中でも回復できるビデオ   youtubeで再生   妊婦さんの腰痛は珍しくありませんが、もし骨盤がずれていたなら?けれど経絡を用いれば大丈夫です。
    5.陽経からの治療でも大きく変化をしているビデオ   youtubeで再生  これは滋賀漢方鍼医会の月例会でのものです。主訴は風邪ですが腰痛もあるということで診察をしていて、動画でもわかりやすいということから収録しておきました。本治法は顕著な数脈なので、陽経から行っています。
    6.内臓下垂のビデオ   youtubeで再生  内臓下垂とは脾の昇清作用が低下しているために、内臓全体が下がってしまっている状態です。東京都鍼灸師会の特別講習で学生への実技をしていたとき、見事な内臓下垂があったので収録させてもらいました。


ていしんが最初に紹介された、霊枢『九鍼十二原篇』について

 何がきっかけでも構わないのですが「鍼灸師を目指そう」と思った時、まだその時には素人ですから専門的知識がないので「鍼やお灸を使ったなら何かができるかも知れない」と発想しています。それはそれで、素人なのですから鍼灸との接点さえあればいいのです。しかし、実は鍼灸は経絡や経穴を効率的に運用するために考え出された道具にすぎません。
 「えっ、そんなテレビやネットでは鍼を刺すことで人体にどんな変化があるのかを解説している記事ばかりなのに」と思われるでしょうが、霊枢『九鍼十二原篇』を読めば刺さない鍼が一番で、次には手術道具のような鍼が来て、やっと最後に刺す鍼だということが分かります。これは経絡を運用するのに、その順番で段々と探求していくのが効率的だということを示してもいます。
 では、ごく簡単にですけど九鍼十二原篇を解説してみます。
実は、鍼は元々刺すことが目的ではなかった?霊枢『九鍼十二原篇』について こちらはワードファイル版(別ウィンドウで開きます)

『鍼灸』とは、『経絡』を効率的に運用するために考え出された道具

 何故こんな話から始まるかというと、『鍼灸』というものを素人さんのレベルから見れば治療方法の一つなのですけど、現役の鍼灸師のほとんどと鍼灸学校のやはりほとんどの学生から見れば毫鍼を刺鍼することそのものが治療行為であり結果を求める唯一の手段です。つまり、鍼灸師は鍼やお灸という更衣によって卵を産み付けてこれが鶏へと成長するのだと主張するのですが、素人さんが求めているのは成熟した鶏だけであり、卵を生んでからの仮定などほとんど関係ないのです。素人さんが求めているのは、治療で改善をしたという、「結果」のみなのです。 記事全文はこちら   こちらはワードファイル版(別ウィンドウで開きます)

"ていしん"の修練ビデオ

二木式ていしんが、示指のみでも落ちない  左の写真は、示指のみで二木式ていしんを乗せてそのままほぼ垂直にまで保つことができるというものです。なぜ、このようなことをするのか?二木式ていしんは示指を真っ直ぐ伸ばすために竜頭部分に平面をつけてあるのですが、それをしっかり修練するためです。そして強く握りすぎないための修練でもあります。
 鍼灸師には外科的な腕が必ず求められます。ある英訳では"ハンドワーク・アート"といわれるくらい芸術的な手さばきでなければならない手技なのですけど、古くは秘伝・口伝ということで公にはされず、現代では国家試験突破が優先で実技時間が削られており、ハンドワーク・アートの域へ到達するのが困難でもあったのが鍼灸の世界です。しかし、現状の鍼灸業界では困難という次元さえ遠いというのが実感です。そこで個人の持てる範囲ではありますが、細かなパーツに分けてビデオ収録をしました。別ページにて公開をします。 鍼灸臨床あれこれビデオ集のページを開きます

「ていしんを試作中」レポート

三本の二木式ていしん  院長が"ていしん"に出会ったことからお世話になった小里式ていしんのこと、そして"ていしん"での治療へ全面移行するのに活用させていただいた"森本ていしん"から、どうしてオリジナルデザインが必要だったかをレポートしています。
 また試作中に構想していたこと、そして実際に手にして当たっていたこと・外れていたこと・意外だったこと・予想もしていなかったことなどを、時系列に沿ってレポートしてあります。今後もレポートは追加していきます。  ていしん試作レポートの閲覧ページへ   ていしん試作レポートのワードファイルページへ


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