腰痛の話

  腰という漢字は、「にくづき」に「かなめ」と書くくらいですから身体の要となる部分だという意味を表しています。昔の人の知恵には感心します。

  ところで、(個人的には若干の異論があるのですが)一般的な進化説では「人間は手を自由に使えるようになる為に直立歩行を始めた」ということであり、その進行過程が余りに急激で4つ足から2つ足に構造を改善する暇がなかった・・・・・それで腰は痛めやすいのだと言われています。

  まぁ腰痛は現代人の重要な悩みの一つでありますから、今回は代表的な疾病のメカニズムを取り上げて解説し、予防についても書いてみたいと思います。

 

その前に、我慢することは絶対に損!

  腹が減った・かゆい・痛いなんて現象は絶対に当人にしか分からないことです。古い発想で「我慢に我慢を重ねて、もう限界だという時に治療を受ければスッとする」と思っている人がいるかもしれませんが、これは大間違いです。人間も生身の身体なのですから一度に治療できる量には限界があり、回復するのに必要な時間というものもあります。仮に考えられる全ての処置をしたとしても、それが刺激過剰となって寝込むような結果になりかねません。

  つまり、我慢をしても得することは何ひとつありません。自力で回復しないと思ったら直ちに治療を受けていただくことが、何よりの健康法なのです。

 

骨盤のズレによる腰痛

  さて、一言で「腰痛」と言っても曲げた時・伸ばした時・ひねる時・じっとしていてもと痛み方は様々です。そこで、特に痛み方に特徴のある2つのケースを上げてみますが、我慢しても得することは絶対にありませんよ!

  脊柱と骨盤の接合部(身体の真後ろでベルトの少し下)の部分を「仙骨部」と言います。腹部には骨はありませんからここは唯一の上半身と下半身の接合部であり、半固定の関節になっています。何故に半固定かというと、完全固定では骨の強度以上の衝撃には絶えられず骨折が頻発することになりますし、可動性であれば上半身が引っ繰り返ってしまいますから半固定なのです。

  ところが、時々周りを包んでいる筋肉が弱ったり外部からの力が加わると関節がズレてしまい、大抵は時間経過とともに自然回復するのですが自分の力では戻れなくなってしまうことが発生します。この状態になると腰痛が発生するのです。

  特徴としては、同じ姿勢を続けていると痛むが姿勢を替えていると痛くないということです。関節のズレにより神経が圧迫されてしまうのですが、最初は筋肉が引っ張ることによって圧迫を受けなかったのに、やがて筋肉も疲れて伸びてしまい圧迫されて痛みになります。ですから、姿勢を替え続けると違う筋肉が働いて痛みを回避することができるのです。

 

椎間板ヘルニアによる腰痛

  最も有名な腰痛の原因であります。ご存じの通り脊柱とは椎骨という小さな骨が連なって出来ています。この椎骨の間にはクッションの役目をしている椎間板というものがあり、これが飛び出して(飛び出すことをヘルニアと言います)神経を圧迫する病気が椎間板ヘルニアなのです。

  特徴としては、足の裏側から膝下まで痛みが達し少し歩くだけで痛みが増して立ち止まります(おまけに身体を曲げないと歩けません)。夜にもうずくので横向けでエビのようになっていないと眠れません。イスに座っていると同じ姿勢が続けられません。その痛さは・・・・・経験者でないとねえ。

 

予防法は疲れを取ることと鍛えること

  腰痛に対する予防は、何と言ってもその日のうちに疲れを取っておくことと運動によって鍛えておくことですね。詳しくは当院のスポツ関係のパンフレットやホームページを参照してください

  腰痛に限らずどんな病気でも治す方法ばかりが強調されていますが、その前に最も大切なことは貴方自信が予防をすることです。病気を治すことは我々の仕事ですが、それを壊さないように大切にするのは患者の仕事です。

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