五十肩の話
スポーツニュースでプロ野球の選手や大相撲の力士が「痛みで肩が全く上がらない様子です」と聞くのに、2週間ほどで復帰をしているのを不思議に思われた方は少なくないでしょう。自分や自分の周りで「肩が痛い」と訴えている場合にはなかなか回復しないのに.....
いくつかの理由が考えられますが、一つ目は激しい運動からの【単なる筋肉痛】、二つ目は普段から鍛えているので回復が早かったからではないでしょうか。特にプロレスなどはケガをしながらでも毎日のように試合を続けて(順調ではないでしょうが)回復もしているのにはビックリしますからね。
これに対して、自分や自分の周りで回復しないものが『五十肩』なのです。
実は、五十肩という病気はない!
例えば「腰痛」と言ってもギックリ腰や椎間板ヘルニアなど様々な種類があり「腰痛」という病気自体はないのと同じで、「五十肩」というのも肩に痛みのあることの総称であり、病名ではないのです。
つまり、広い意味ではある年齢以上の人で肩関節付近が痛ければ全て五十肩なのです。五十歳あたりの年齢で発生しやすいので『五十肩』というのです。
但し、専門家では前・横・後ろのいずれか二方向以上の運動制限(上まで手が上げられない)と夜間痛(夜中になると何もしないのにズキズキ痛む)が同時にある場合には狭い意味で「五十肩」と表現をすることがあります。どの病気でもそうなのですが、特にこのケースでは何もしないのにズキズキ痛むのをまず止めないと治療は成功しません(平均で4回程度)。
しかし、狭い意味なのか広い意味なのかは西洋医学の検査でも即断ができないので、やはりある年齢以上の人の肩の痛みは五十肩なのです。
五十肩は放っておけば治る?
「長い間痛かったけれど自然に治った」という話もよく聞きます。これは本当です。半年くらいのケースもあれば5年や7年くらいかかるケースまで様々ですが、五十肩は一部の悪性や外傷性のものを除いては放置しておいても自然に回復します(運動制限を残す場合が多々ありますが)。
しかし、その間の痛みが耐えられるものなのか・腕の動かせない不自由さは目をつぶれるものなのか・仕事には差し支えないのか・・・・あるいは例えば胃潰瘍のような内臓疾患が原因で痛みが発生している場合もと考えれば、他のパンフレットでも繰り返しているように『病気を我慢しても得することは何もない』という結論が簡単に導き出されることでしょう。素早い治療は素早い回復をもたらしてくれます。
肘や手首の症状もほとんど肩が原因!
肘や手首が痛むときには、肩は痛くなくても実は肩や肩甲骨の周囲の筋肉に原因が存在するケースがほとんどです。どうしても痛む部分が悪いのではないかと思いたいのですが、例えば脳溢血を起こしてしまうと原因は脳にあるのに不自由になってしまうのは手足です(リハビリで手足を動かすのですから肘や膝も直接治療する必要は多少ありますが、やはり原因を取り除きます)。
肘の症状については95%が肩のみに原因があります。「ビール瓶が持てない」と言われたとしても、ビールを我慢するかと言えば絶対に飲んでいますよね。大抵は脇を締めていると不思議と痛まないからです。本当に肘が故障しているならどんな姿勢でも加重が掛かれば必ず痛むはずなのにある姿勢だけが痛むということはどこかの筋肉が故障をしているということで、脇を締めれば痛くないのであれば肩の筋肉を治療すればいいのです。
手首は小さな8つの骨が埋め込まれて形成されていますから捻挫を起こしやすくなっています。しかし、「腱鞘炎になった」とよく聞きますが現代では指だけに力の掛かる作業は少なく、実は肩の筋肉が原因の場合が多いのです。どちらが最初でも細かな動きの部分ですから、手首だけを治療して痛みが取れてもすぐに再発するので手首の場合は肩と両方を治療する必要はあります。
「少し痛いだけだから」と軽く考えずに、完全に治し切って下さい。
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