漢方は医食同源
食養生の話(其の弐)
塩分と高血圧の関係
最近のグルメブームの中にも「塩分控え目」と表示された食品があるようです。
「塩分を取ると高血圧になる」と言われていますが、必ずしもそうではない事実をご存じですか?
「塩分の取り過ぎは高血圧の原因となる」
という説は、外国の学者が「東日本の食事は塩分比率が高く高血圧も多く、西日本では塩分比率が低く高血圧も東に比べれば少ない」という日本の食生活調査の際、生活実態の不十分な認識のまま発見発表された中間報告が「あっ!」という間に広がったものです。
ところで、東日本の人が皆高血圧かと言えばそうでないし、西日本でも塩分比率の高い食事をする地方もあるので、確認の実験がその後なされました。
マウスに塩分比率の高いエサを与え続けると確かに「高血圧マウス」が誕生しましたが、中には全く異常の見られないマウスもいたのです。そこで、異常のなかったマウスには色々と塩分比率を変えてみましたが、結果は同じ。
さらに、高血圧マウスと非高血圧マウスを交配させたところ、見事に「メンデルの遺伝法則」(理科の時間に習いましたね。白と赤の花を交配すると、白:ピンク:赤の花が1:2:1の比率で誕生する)の通り、高血圧:中間高血圧:非高血圧マウスが誕生したのです。
「遺伝体質によっては塩分が高血圧をもたらす種類が存在する」
ということです。
しかし、世間では既に「塩分は高血圧の素」とマスコミの影響もあって定着し、このような最終報告に耳を傾けてはもらえませんでした。
では、実際の食生活はどうすればいいか?貴方が高血圧タイプか非高血圧タイプかを判定する要素がありません。しかし、極端に塩分を取らないと体液成分の調整が出来なくなり、目まいや難聴を来す低塩障害がありますので、『全てをバランス良く』
《自然への適応》つまり、自然体になること
が最も大切です。
また、マスコミによる『大本営発表』的な間違った情報を信じているケースも結構ありますので、素人判断せず細かなことでも是非相談をして下さい。