治療ポイントあれこれ 実技編

裏内庭のお灸の方法

足底の写真  いやぁいきなり足の裏の写真で失礼します。しかも、可愛い女の子がモデルならよかったのですが、管理人の足ですから、もっと失礼いたします。

 「裏内庭のお灸」 とは「三里にお灸をする と並んで有名なお灸の方法です。主治証の代表は食中毒であり、現在吐き下しをしている患者さんはもちろんのこと、一連の腹痛や下痢は治まったが体調不良が続いたり蕁麻疹が出るなどの症状にも著効があります。また乗り物酔いやつわり、発熱や風邪などにも効果があるようで、素人さんには『困った時の裏内庭のお灸』として覚えておいてもらうのも一つの手でしょう。

 問題は裏内庭の取穴方法と施灸方法で、これが案外知られていません。下の写真をご覧ください。
 まず左のように第二指の腹をマジックで塗りつぶします。それを中央のように足底に押しつければ、右のように足底にもマジックが付着して取穴は終了です。
第二指の腹にマジックを塗った写真   第二指を術者の手で足底に押しつけている写真   足底にマジックが付着した写真

 施灸方法ですが、「男性は陽体ですから左から」「女性は陰体ですから右から」始めます。片方にずっと施灸をして、連続で三回熱さを感じるまで行います。患者さんは熱くないのですから米粒大の透熱灸を燃やし切り、灰は多く溜まるまで特に取り除かなくても構いません。二回連続で熱さを感じたのに三回目が熱くなかった時には、もちろん初めからやり直しです。三回連続で熱さを感じたなら反対側に移り、同じことをします。 ビデオ 裏内庭の灸点の取り方と施灸方法について   youtubeで再生

 管理人も二回食中毒を経験しているのですが、その時には裏内庭のお灸が本当に熱くないのです。そして三回連続で熱さを感じたので治療終了とすると、その後に発熱したことも一度ありましたが半日程度ですっかり回復してしまいました。
 上にも書きましたが、最近の一連の症状が治まっているのに蕁麻疹が残り西洋医学的には検査で何も出てこないという症状には是非一度試してみてください。脉診や腹診で判断する決定打はないのですが、とにかく一度お灸をしてみればいいのです。


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