治療ポイントあれこれ

  ビデオでも解説 小児鍼(しょうにしん)

小児鍼で笑顔の赤ちゃん

 子供の笑顔って『宝物』そのものですよね。子供がそこに存在してくれているだけでも癒されるのですけど、笑っている子供はさらに輝いています。 トピックス『産まれてきてくれて、ありがとう』のそれぞれ で我が子に小児鍼の効果を再確認させてもらったことを書きましたが、子供の病気は大人の責任でもありますから小さな身体で懸命に生きている命を、早く助けてあげたいものです。 パンフレット「子供は元気になぁれ!」 で小児鍼のことをあまり知らない方へ解説もしています。

小里式ていしんの持ち方   二木式ていしんの持ち方


 東洋医学的には子供は陽気の固まりであり、つまり元気の固まりです。陽気は熱を持ち素早く動くのですが、熱がうまく発散できずに渋滞したりあるいは飛散して一気になくなったりすることが子供の病気のほとんどです。しかし、最近は捉え方の違いとも言えるのですが現代の子供は「邪を受けやすいのでその邪を払ってやることにより補の効果がもたらされている」という考え方をしており、その方が応用範囲も広くなり証決定にもバリエーションが持てるようになっています。
 ということで、小児鍼は渋滞している陽気の流れを改善してあげる、もしくは邪を払ってあげられる手技を行うこととなります。左上の写真は小里式ていしんで小児鍼を行う場合の持ち方であり、示指に鍼先を埋没させるようにやや強めに持ち拇指の重ね具合によって刺激量を調節します。右上の写真は二木式ていしんの場合であり、通常とは逆の太い側を用いますが先端が真円なので軽く持つだけで大丈夫です。これで子供の皮膚を軽く叩くような手技を行い、最後に本治法を行います。

腕を小児鍼   足を小児鍼   百会に小児鍼

 子供の病的状態は、全て「疳の虫(かんのむし)」と表現して本来は差し支えありません。狭い意味では夜泣きや泣きわめくことを指しますけど、子供は自分の言葉で表現できないので泣くことから表現しますから、泣き方を聞き分けることが治療の糸口となります。また視線が散乱している時には全身状態が悪く、鋭くにらんでいる時にはストレスからの不調だと判断することもできます。
 本治法を行うと行わないでは持続力が大幅に違いますし、アトピー性皮膚炎や喘息など西洋医学的にもハッキリ病名の付くような症状に対しては、もっと差が出てきます。呼吸器系には肺虚証、消化器系には脾虚証、運動機やいわゆる疳の虫には肝虚証、ホルモン系には腎虚証として通常は証決定していますが、 研究発表「小児鍼の運用について」 より、漢方鍼医会の他の先生方の意見も参考にしてください。また副院長による 私の妊娠体験から などより妊娠から出産についての知識を持っておくことは、婦人科疾患だけでなく小児の治療のヒントでもあります。


 それでは『にき鍼灸院』での小児鍼の実際を、ビデオでご覧ください。長女の場合には小里式ていしんを用いており、長男と次男は二木式ていしんです。また次男はまだしっかり首が据わっていないので、その扱い方も解説しています。

長女(一歳四ヶ月時点)   youtubeで再生

長男(二歳六ヶ月時点)   youtubeで再生

次男(三ヶ月時点)   youtubeで再生

 これは直接小児鍼とは関係ないのですけど、ブログの記事をいくつか紹介しておきます。
2009年09月01日 ていしんのDVD撮影に協力   2009年07月21日 臓器移植改正法が成立、鍼灸は小児鍼を   2009年06月20日 臓器移植法改正案に思う   2009年06月08日 ていしんを試作中(その6)邪を払う  


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